春先に知っておきたい肌トラブル対策「花粉が肌荒れの原因になることもある」


春先に知っておきたい肌トラブル対策「花粉が肌荒れの原因になることもある」

もし、肌荒れが花粉症の時期と重なっているとしたら。はたして、花粉が肌トラブルを起こすことは考えられるのでしょうか。今回は、花粉以外の原因も含めて、春の肌荒れ対策をご紹介します。

花粉と肌荒れの関係

Q. 春は肌荒れのシーズンという気がします。

A. 「春限定」ということであれば、花粉の刺激による影響かもしれないですね。とくに春は風が強く、アレルゲンが飛散しやすい時期です。加えて、新学期や配属先の変更などによるストレスや冬の間に乾燥してしまった肌質、紫外線の増加なども肌荒れと関係していると考えられています。

Q. 花粉症になっていなくても、花粉による肌荒れを起こしてしまうのですか?

A. はい。医学的には「花粉皮膚炎」と呼ぶこともありますが、花粉症の一種と捉えてください。仕組みとしては鼻水やくしゃみと同様で、お肌の免疫が花粉と闘っているイメージです。

Q. 発症のタイミングが少し遅れて、5月頃に悩むこともあるのですが?

A. 個人ごとに原因が違うからですね。花粉症の頻度で多いのはスギですが、イネのように5~6月に飛ぶ花粉もあります。

Q. 一般的な「花粉症の市販薬」で、お肌のトラブル対策になりますか?

A. お肌に対して、花粉症の点鼻薬や目薬ではどうにもなりません。一方、炎症を抑える花粉用の塗り薬や飲み薬は、軽い肌荒れであれば効果がある可能性はあります。それでも、症状が強くなってきたら、医師に相談して処方を受けてください。その人の肌トラブルに合った薬を選ぶことが重要です。「この市販の塗り薬は、どんな症状にも効く」と考えている人もいらっしゃいますが、自己流でむしろ悪化させてしまってから来院するケースもみかけます。

花粉以外の原因

Q. 花粉症以外に、紫外線や肌の乾燥も肌荒れに関係してくるということでした。

A. はい。紫外線は、浴びることそのものがお肌にとっての刺激になります。とくに、冬の間は紫外線量が少ないので、つい春先になっても紫外線対策を怠りがちです。お肌は潤うことでバリア機能を保っています。乾燥するとバリア機能が低下し、刺激に敏感になってしまいます。

Q. 自分なりに保湿を心かげていたつもりでも、肌荒れを起こしてしまいます……。

A. 冬用の化粧品が春のお肌に合わないことも考えられます。春は「皮脂の分泌量が増えているにもかかわらず、お肌の中は乾燥しがちな時期」です。したがって、冬よりも皮脂汚れなどをしっかり落として、なおかつ保湿していく必要があります。場合によっては、季節ごとに保湿剤を変えた方がいいかもしれませんね。加えて、紫外線対策も忘れてはいけません。

Q. ストレスによる肌荒れは、どうすればいいでしょうか?

A. ある程度のストレスは社会生活をしている以上、避けられないように思います。そのため、自分なりの「息抜きの方法」を工夫してみてはいかがでしょうか。ただし、スイーツや脂肪分の高い食事をご褒美にすることはお肌にとって良くないので控え目にしましょう。

健康的な生活習慣がお肌の質を保つポイント

Q. 睡眠の質もお肌と関係があると言われています。

A. 重要な観点ですね。とくに「スマホの寝落ち」は睡眠の質を低減させてしまいます。対策としては、寝る時間が近づいたらパソコンやスマホは使わないようにしてください。そして、朝になったら日光を浴びて、体が目覚めるようにしましょう。なお、平日の睡眠不足を補おうとする「お休みの日の寝だめ」は、医学的に意味がありません。毎日コンスタントに、十分かつ規則正しい睡眠を取りましょう。

Q. 食事との関係についてはいかがでしょうか?

A. バランスのいい食生活が基本になります。ビタミンC、B2、B6などはお肌にいいとされているので、積極的に摂ってみてはいかがでしょうか。

小渕 英里 医師(富士見スキンクリニック飯田橋 院長)

東京女子医科大学医学部卒業。東京女子医科大学東医療センター(現・東京女子医科大学附属足立医療センター)皮膚科はじめ、都内複数皮膚科・美容皮膚科クリニック勤務を経た2021年、東京都千代田区に「富士見スキンクリニック飯田橋」を開院。人それぞれに異なる悩みや理想に添った診療を心がけている。日本皮膚科学会専門医、日本内科学会認定医。日本美容皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会、日本医真菌学会の各会員。

引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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