最近、体重が減りにくい…基礎代謝を効果的に上げる方法ってありますか?


最近、体重が減りにくい…基礎代謝を効果的に上げる方法ってありますか?

若い頃は、ちょっと食べすぎて体重が増えても、その後で少し意識して調整すれば大丈夫だったのに、歳をとるにつれて体重がなかなか減らない……という方は多いのではないでしょうか。基礎代謝と年齢、体重の関係や、基礎代謝を効果的に上げる方法についてご紹介します。

基礎代謝って?

Q. まず、「基礎代謝」について、教えてください。

A. 簡単に言うと、「安静時に行われる代謝」のことです。具体的には、仰向けで横になっている状態で、睡眠はしないと仮定して24時間で消費するエネルギー量を基礎代謝といいます。

Q. 横になってじっとしていてもエネルギーを消費するのですか?

A. 「エネルギー消費」というとスポーツなどの運動や意図的な活動を思い浮かべる方も多いと思いますが、安静時でも呼吸や心拍、体温を維持するための筋肉や内臓の働きなどでエネルギーは消費されています。

Q. どのくらいのエネルギーを消費しているのですか?

A. 個人差はありますが、平均すると成人男性で約1500kcal、成人女性で約1100kcalです。これは10代をピークに、年齢とともに下がっていきます。

年齢とともに基礎代謝は下がり、痩せにくくなってくる

Q. 年齢とともに基礎代謝は下がってしまうのですか?

A. はい。最も基礎代謝が活発なのは男女ともに15歳前後と言われていて、その後は少しずつ下がっていきます。例えば中高年になると、15歳前後と比べて基礎代謝が約1~2割も減少するとされています。女性については、10~20代後半の間に20%近く代謝が下がるというデータもあるほどです。年齢とともに痩せにくくなるのはそのためです。

Q. 基礎代謝と体重は深い相関関係にあるのですね。

A. 基礎代謝は、黙っていても常に使われているエネルギーなので、基礎代謝が高いほどエネルギーを消費しやすい身体ということになります。同じものを食べて同じ活動をしても、年齢とともに痩せにくくなってしまったり、同じ年齢でも太りやすい人とそうでない人がいたりするのは基礎代謝量の差によるところが大きいとされています。

Q. では、基礎代謝を上げると痩せやすくなるということですね?

A. はい。基礎代謝は加齢に伴い徐々に下がりますが、年齢以外のさまざまな要素も大きく関係していて、少しの工夫で上げることもできます。太ったり痩せたりするのは摂取カロリーと消費カロリーのバランスです。「摂取カロリー>消費カロリー」だと太り、「摂取カロリー<消費カロリー」だと痩せます。基礎代謝は消費するカロリーにあたるので、これを上げることで、太りにくく痩せやすい身体にすることができます。逆に、基礎代謝が低い人は、ダイエットのために同じ運動をしても基礎代謝が高い人に比べて結果が出にくい可能性があります。

基礎代謝を上げて痩せやすい身体になろう!

Q. 具体的に、どうしたら基礎代謝は上げられますか?

A. まずは筋肉量を増やす必要があります。筋肉は脳・肝臓と並んで、動かなくても多くのエネルギーを消費する部位のひとつです。脳や肝臓は意図的に活動量を増やすことは難しいですが、筋肉は運動することで増やすことができます。

Q. ほかには何か方法ありますか?

A. エネルギーを消費するためには酸素も必要ですので、有酸素運動や腹式呼吸もおすすめです。有酸素運動とは、長時間持続可能な軽度~中等度の運動のことで、手軽にはじめやすいものとしてはウォーキングやサイクリングなどがあります。腹式呼吸は、息を吸った時にお腹が膨らみ、吐いた時にお腹がへこむような呼吸法で、これは寝たままでも出来ます。腹筋群が鍛えられるという効果もあるので、筋肉量アップも期待できます。

Q. やはり運動が大切なのですね。

A. 運動以外で基礎代謝を上げるには、体温を上げるという方法もあります。体温が1度上がると、基礎代謝が約13%もアップすると言われています。体温を上げる、というと難しく感じるかもしれませんが、生活習慣で体温は変えられます。身体を冷やさないようにエアコンの設定温度や服装を工夫する、冷たい飲み物や食べ物を控える、体を温める食べ物を積極的に摂取するなどがおすすめです。特におへそから下をしっかり温めることで、少しずつ体温を上げることは可能です。


齋藤 里美(理学療法士)

札幌医科大学保健医療学部理学療法学科卒業後、急性期の総合病院に約20年間勤務。理学療法士としてリハビリテーション業務のほか、重複障害をもつ患者さんの治療の適正化などに従事。2021年2月から医療ライターとして活動を開始。医療従事者としての知識や経験を自分の言葉で届けるほか、医療雑誌の校正や編集も勉強中。プライベートでは小中学生3人&チワワのママ。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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