便秘解消におすすめの食事とは?


便秘解消におすすめの食事とは?

便秘によるお腹のハリや痛み、不調等で1日中ストレスを感じた事はないでしょうか。毎朝起きてすぐトイレで快便! 心も体もスッキリとした1日が始まることを理想とする人は多いでしょう。便秘には様々な原因があり、解消法も多く存在します。今回は、便秘解消におすすめの食材・食事をご紹介します。

便秘の定義や原因を解説 どのような状態を便秘と言うのか

Q. そもそも便秘の定義とはどのような状態なのですか?

A. 慢性便秘症診療ガイドライン2017では「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を便秘としています。しかし、正確には排便の頻度は量には個人差があります。学会によって便秘の定義は少々違いがありますが、「いつもに比べて出る回数が減った」「硬い便が出る」「排便する時に強くいきむ」「残便感がある」といった状態の場合でも、便秘と言えるでしょう。

Q. 便秘はどういった原因で起こるのでしょうか?

A. 便秘は様々な原因から引き起こります。「ダイエットによる少食」「水分不足」「食生活の乱れ」「栄養不足」「精神的ストレス」「運動不足」などが挙げられますね。便秘に悩んだら、まずは自分に当てはまる原因から調べてみると良いでしょう。

Q. 原因が分かったとして、どう改善すべきなのでしょうか?

A. 分かりやすく答えると、腸の環境を良くする・腸の活性化を促進させることが改善策と言えます。腸には善玉菌・悪玉菌・そのどちらでもない菌(日和見菌)が存在します。全体の70%を占める日和見菌ですが、善玉・悪玉どちらか割合が多い方に変化をします。善玉菌の割合を増やす事で、日和見菌を味方につけ、腸内環境を良くすることが大切です。そして、腸内環境を良くすることに食事は不可欠になります。

便秘解消におすすめの栄養素と食材を紹介

Q. 便秘を解消するのに腸内環境を良くすることが大切と伺いましたが、具体的に何を摂取するのが良いのでしょう?

A. 私がおすすめするのは、「食物繊維」「乳酸菌・ビフィズス菌」「オレイン酸」の3つですね。食物繊維は野菜・キノコ類・穀物類に多く含まれる不溶性食物繊維と海藻類・果物類に多く含まれる水溶性食物繊維の2種類があります。この2種類をバランス良くとるようにしましょう。

Q. なぜ食物繊維が腸内環境を整えるのに良いのですか?

A. 食物繊維は体のエネルギーにはならないため、多くは消化・吸収されずに便として排出されます。ダイエットで過度の食事制限が原因の便秘の方は、食物繊維を多く摂る事で便の量を増やし、腸壁を刺激することで、スムーズな排便を促すことができます。

Q. 続いて乳酸菌・ビフィズス菌について教えてください。

A. 乳酸菌・ビフィズス菌はキムチ・納豆などの発酵食品、乳製品、醤油や味噌・塩麹などの調味料に多く含まれています。発酵食品は、善玉菌を増やし、腸内環境を良好に保ってくれる食品の1つです。特に善玉菌の1つである乳酸菌は腸内を酸性に傾けてくれるため、悪玉菌を減少させる効果があります。ですが、長期的に腸内に留まる事がないため、発酵食品は出来るだけ毎日摂取する事をおすすめします。

Q. 最後はオレイン酸ですね。こちらはどのようなものですか?

A. オレイン酸はオリーブオイルなどの植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸です。オレイン酸は、胃や小腸で消化・吸収されにくく、腸に生きたまま届きやすいので、適度に摂取すると便秘解消に効果的です。排便の潤滑油としての役割があります。

Q. その他、便秘解消におすすめの食事法があれば教えてください。

A. 食事とは少し違いますが、しっかり水を飲むことが大切です。水は便を柔らかくしてくれる働きがあります。1日2〜3リットル量が目安ですね。朝起きたらコップ1杯の水を飲む事も習慣化しましょう。大腸が刺激され、排便を促してくれます。

管理栄養士がおすすめする便秘解消するための調理法

Q. 便秘解消に効く食材のおすすめの調理法や食べ方などありますでしょうか?

A. 項目ごとにそれぞれ紹介していきます。水溶性食物繊維を多く含む食材は、水に溶ける性質があります。生のまま摂取する、もしくはスープや煮物に調理加工し、溶け出した栄養素ごと摂取する方法がおすすめです。汁物の材料にわかめなどの海藻類を使用し、発酵食品の味噌を使った味噌汁にすると効果的です。

Q. 食物繊維で言うと、 不溶性食物繊維はどうでしょう?

A. 不溶性食物繊維は、水に溶けない性質を持つため、加熱する事もおすすめです。カサを少なくし、食べやすくする事が出来ます。また、スムージーなどに加工する事で、一度に多くの野菜や果物を摂取できます。更に、細かくする事で栄養素が身体に吸収されやすくなるのでおすすめです。

Q. 発酵食品についても教えてください。

A. 発酵食品に含まれる菌は、腸を活性化させる働きがあります。しかし定期的に摂取しなければ悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなる恐れがあります。定期的に、できれば毎日摂取しましょう。毎日摂取するのは難しいと感じるかもしれませんが、日本人にとって発酵食品は身近な存在ともいえます。毎日料理に使用する味噌・みりん・醤油などの調味料は発酵食品です。糠漬けなども乳酸菌を多く含んでいるのでおすすめです。

Q. 乳製品はいかがでしょう?

A. 朝食や間食に、フルーツ入りヨーグルトはいかがでしょうか。甘味料としてオリゴ糖などを入れるとより乳酸菌が増えるのでおすすめです。オリゴ糖はビフィズス菌のエサの役割があります。


濱川 絢(管理栄養士)

大阪成蹊短期大学栄養学科卒業。卒業後、栄養士として委託給食会社・料理教室アシスタント・学生向け食堂などで勤務。栄養士として献立作成やイベント・食育と幅広く活動し、現在はライターとして視野を広げ、栄養に関する知識を多くの方に伝えるべく執筆活動中。


引用:「Medical DOC(メディカルドック) - 医療メディア」より

※記事内容は執筆時点のものです。
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